今流行のエンディングノートとは何でしょう。
『最期のノート』つまり、自分の人生の記録や、残された人に伝えたい情報やメッセージを書いたノートのことです。
横文字でエンディングノートと言えばいかにも今風ですが、正式に通じる英語ではありません。
『終活』といい『エンディングノート』といい、略したり変な英語にしてみたり私は好きではありません。
また、エンディングノートをきっかけとして葬祭関連業務、相続関連業務など、さまざまな業界の方々が売り込みをはかっております。
無料で差し上げますという業者や有料で販売している出版社など多数あります。
先日の高齢者向けセミナーでも質問があったのでお知らせしたのですが、グーグル検索で『無料 えんで』と入れると、
変換もしないうちにゾロゾロ出て来ます。
何を書いたら良いのかも出て来ます。
高齢な方はネットは苦手と言われるなら大学ノートで良いですよ。
当事務所の長い経験上、私は数え切れないくらいの『ノート』を拝見させてもらいました。
今みたいに『エンディングノート』という言葉のない時代でも『日記』であり『覚書』であり『備忘録』であり、
『遺書』でありさまざまなタイトルでした。
相続手続きに来られた方が見せてくださるのです。
特に遺産分割がスムーズに行かず、調停でも、という場合は見せていただく場合が多いです。
結論から言いますと、正式な遺言書の形式を備えていないものが大部分ですので、依頼した弁護士も参考にはしますが、
あまり役に立った記憶はありません。
法的に有効な遺言書とは違うということを認識していただきたいと思います。
それと『タダほど高いものはない』とも申します。
無料でもらえるからと、さまざまな広告宣伝に引っかからないようにしてください。
なぜなら、『エンディングノート』とは、自分の最高のプライバシーではないですか。
遺言を始めとする相続対策のご相談は行政書士、司法書士、弁護士など正式な専門家を抱える当事務所にご相談されることをお勧めします。
さらに言わせてもらえば、もちろんエンディングノートを書かれることは悪くありません。
いざというときに、残された家族がその情報があることで、困らないですむかも知れません。
しかし、もっと大事なことは日常の家族間の会話のような気がします。
両親あるいは片親だけでも残っているうちに、子供たちには『教育的指導』として話をしておくことが大事です。
『会話』と『理解』を重要視してください。
子供たちが遠方にいるのでしたら帰省したときとか、電話とか、今なら高齢者でもメールを使いこなす方も多いではないですか。
その上で正式な遺言書を残してください。
親は『重し』として力がありますよ。
二親とも亡くなると、兄弟は他人の始まりと言うではないですか。
私の長年の経験から言えることです。
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