Niwata Collection

1960年（昭和35年）発売のミランダＤです。
メカニカルなデザインが実に美しいカメラです。
Mirandaのロゴも初期の字体です。

シャッターはミランダらしく前面にあり、このＤ型はボディのシャッター
ボタンの前に更にボタンが飛び出しています。
これはレンズ側にもシャッターボタンが付いているからです。

軍艦部の配置もきれいです。
ローレット部など機械工作・メッキともに非常に丁寧です。
シャッターダイヤルは高速・低速の同軸2段です。

初期のミランダらしい形状です。
レンズはSoligor50ミリ　F1.9　シャッター速度500分の1秒までです。

こうするとレンズ側とボディ側のシャッターがわかりますね。
レンズ側ボタンを半押しすると「絞り状態」が分かるのです。
すごいアイデアのようでもあり、ほかに解決法がなかったのか
疑問に思えたりします。

レンズ側シャッターボタンの上にある
ノブは、半押しを固定するためのものです。
もちろん、さらに押し込めば「自動絞り機構」となって
シャッターが切れるわけです。
他社の「プリセット」機構より明らかに進歩はしていました。

これはこれで、完成度において
ミランダ社の一つの到達点のような気がします。

無条件に私の好きなメーカー、ミランダ・カメラの初期の
製品です。
ミランダが好きな理由は、別のページにも書きましたが、
製品に突拍子のないアイデアがあったりするからです。
それは、先行他社との違いを出すための必死の努力だったのでしょう。
このＤ型は特に技術者の苦労や夢が凝縮された製品だと
思います。
時代的にも、日本人が勤労意欲に富み、働けば報われると信じていた頃でした。


右の写真はこれで撮影したものです。