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Niwata Collection

CANON CANONET

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1961年(昭和36年)発売の初代キャノネットです。
当時の大卒初任給より高い18800円でした。
しかし、それまでのカメラよりは性能の割りに安く、
社会現象になるほど売れたみたいです。
大ベストセラーというわけです。
レンズはCANON LENS 45mm/F1.9。
シャッター速度:B・1〜1/500秒。
重量:約700g。サイズ:140×78×64mmという大きいものです。
訳があって、最新の缶コーヒーと一緒に写っています。

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上面はシャッターとフラッシュ取り付けシューのみで、
ツルンとしています。
CANONETの字体がおしゃれです。

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フィルム巻き上げレバーや、巻き戻しノブは、このように
底面にあるのです。
言われなければ、こちらが上面みたいです。
フィルム巻上げレバーを底面に持ってきたおかげで、三脚取り付けネジ位置は右端に追いやられています。
ネジをよほどきつく締めないと、三脚の上でカメラが傾いてしまいました。

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裏面のトリガー式フィルム巻き上げレバーです。
リコー35Lと違い、真ん中で一段90度立てます。

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底面が平坦でないので、そのまま置いたら『こんにちは』してしまいます。

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焦点調節レバーを真下に持ってくれば、ちゃんと『シャン』とします。
真下に持ってきた焦点調節レバーや、大きなセレン受光部が分かります。

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フィルムを取り出す裏蓋を開ける方法が、すぐには分かりませんでした。
三脚取り付けネジの丸い土台にあるレバーを押しながら、左下の丸いボタンを押し込むとこのように開きます。

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おなじみのセレン受光部。
この部分とレンズがヒューティと同じなのです。
『だから、何なんだ』と言われそうですが、
ネットで調べても、気づいている人は見かけません。

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キャノネットシリーズの初代機種である本機も、3種類に分類されますが、私のものは
フィルム感度をレバーで合わせる後期型です。
右は1971年発売の、NEW CANONET QL19です。
セレン受光部がCDS受光部に変わり、鏡胴が小型になりました。
見てのとおり、全体のサイズもコンパクトになっています。

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名前から受ける軽やかな印象から、QL19のサイズが
『キャノネット』とばかり長い間、思っていましたが、この初代を手に入れて、こんなに大きかったのかと初めて知りました。
ビューティ・ライト・オー・マチックVの所にも、レンズやセレン受光部が同じではないかと書きましたが、レンズだけはNEW CANONET QL19とも同じです。
キャノンも生産効率の良いことをしたものです。

左手でフィルムを巻き上げ、右手でシャッターを押せるので、速写性に優れるという売り文句でした。
1年後に発売されたリコー35Lは、反対に右手で巻き上げるようになっており、巻き上げてからシャッターを押す動作が、どうにも連携の悪いものでした。
リコーの設計者が『物まねはしたくない』と考えたのでしょうが、人間工学的思想が欠落しています。各部の操作が手になじむのは、キャノンの方が優れています。
しかし、次の機種からはフィルム巻上げレバーは、普通に上部に戻っています。
『わざとらしい変化』で変化を見せ付けても長続きしない典型です。
歴史の流れの中で検証してみると、白が黒になり黒が白にもなりますね。



1961年、私が9歳、小学4年のときです。谷山小学校、生徒数3000人。
日本一の巨大校でした。
担任は江口先生。厳しいけれど明るく楽しい、生徒思いの先生でした。
今(2013年)でもお元気で、赤いおしゃれな車に乗っておられます。

その頃の出来事として、アメリカ・アイゼンハワー大統領が退任。
有名なジョン・F・ケネディが就任。
また、人類初の有人宇宙船、ソ連のボストーク1号が、ガガーリン少佐を乗せて地球一周に成功。
わが国では、初代南極観測船、宗谷が活躍し、翌1962年(昭和37年)後継の「ふじ」にその任務を譲ったのでした。
スポーツでは、大関の柏戸、大鵬が同時に横綱昇進。いわゆる『柏鵬時代』の幕開けです。
プロ野球では日本シリーズで読売ジャイアンツが優勝。長嶋、王が活躍しだした頃です。
音楽では、石原裕次郎「銀座の恋の物語」、坂本九「上を向いて歩こう」、村田英雄「王将」、西田佐知子「コーヒー・ルンバ」、植木等「スーダラ節」、渡辺マリ「東京ドドンパ娘」、アイ・ジョージ「硝子のジョニー」、小林旭「北帰行」、仲宗根美樹「川は流れる」などがヒット。
白黒テレビも裕福な家庭にしかない時代でした。
大部分の家庭が、ラジオから流れる歌謡曲に家族全員、いわゆる『情報共有』していた時代です。
私が何気なく、コーヒー・ルンバを歌ったら、『子供がそんな歌を歌ってはいけません』と母に怒られました。まだ歌の意味の分からない子供でした。

西田佐知子『コーヒー・ルンバ』
作詞:J.M.Perroni・中沢清二
作曲:J.M.Perroni

昔アラブの偉いお坊さんが
恋を忘れた あわれな男に
しびれるような 香りいっぱいの
こはく色した 飲み物を
教えてあげました
やがて心うきうき
とっても不思議 このムード
たちまち 男は
若い娘に 恋をした
〜〜〜
愛のコーヒー・ルンバ